八光流の基本的な技術に「お化けの手」と言うテクニックがあります。正面にいる相手から両手首を掴まれて押さえつけられた時に指先を下に垂らしながら「お化けの様な」ポーズすると手首を押さえつけていた相手も抵抗できずに手首を持ち上げる事が出来ます。
八光流を学んでいる者であれば当然の様に知っている基本的テクニックですが、型の中には組み込まれずに口伝として継承されています。
「お化けの手」で注目したいポイントは手首を掌屈(掌側に曲がること)させる事です。同じ様な状況(両手取)に対処する「八光捕」では手首を曲げない筈ですが、中には指先を拡げる時に背屈させる方もいます。
おそらく、指先を広げる事に一所懸命になり過ぎて手首が力んでいる人が多いのではないでしょうか?八光捕を稽古する時に、途中で動きを止めて手の甲を上に向けて下さい。その時に指先が自然に下に垂れて「お化けの手」になれば良いですが、そうなれない時は手首が力んでいる証拠です。
八光捕の事が気になって、旧Twitterに上げた私の先生の八光捕の写真を見直しましたが、手首はやや内側を向いている印象でした。
https://x.com/yawaraisha/status/939761691578982400?s=46&t=dG7FLk-0R_a4NE0ah3BDMA
八光流では指先を開く事を重視しますが、それによって「力を棄てる」ことが出来なくなれば本末転倒です。全ての技はお互いに関連し合っています。八光捕が上手くいかない時は「お化けの手」で手首と手先の感覚を掴んで下さい。
ひょっとすると合気道や大東流の方にとってヒントになるかも知れませんね。