柔術・古武術・秘伝の探求

八光流柔術の道場「やわらいしゃ」のブログです

後逆首〆捕について

八光流柔術本傳の三段技9ヶ条の「後逆首〆捕」は正座している取の背後から掛(受側)が首を絞めながら肘を折りに来るところ、腕の極めを解いて反撃する技です。

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掛の攻め口として、首締と肘折を同時に行うのですが、不安定な片足立ちで2つの攻めを同時に成立させるのは簡単ではありません。掛の攻め口が甘いと稽古にならないので、先ずは掛の攻め口の稽古から入るべきでしょう。

添付したイラストでは首を絞める側の足で相手の肘を極めていますが、教本では反対側の足を使っています。

どちらの足を使うべきか?色々と考えて試行錯誤しましたが、現時点で正解は出ていません。特に拘りがないのであれば、教本通りに稽古されれば良いと思います。

取は、極められている腕の指先を自分の顔の前まで寄せつつ反対側の手で相手の掴み手を取り、そこから相手を大きく横に振って斜め前まで誘導しながら肩、肘、手首を後手に極め返す技です。相手を横から斜前に誘導しながら極める技を「持廻り」と呼んでいます。

ところで、何故この様な複雑な攻め口を採用したのか?とずっと疑問に思っていますが、未だに謎は解明されていません。強いて言えば、持廻りを稽古させるための状況設定と言う理由でしょうか?

実際のところ、腕を極めにいかずに首〆に集中した方が厳しい攻めになると思います。例えば、肘を押さえる代わりに片足で背後から太腿の付け根(鼠蹊部)を抑えながら締めると相手は立ち上がる事も叶わず非常に厳しい攻め口になります。興味のある方はお試し下さい。