柔術・古武術・秘伝の探求

八光流柔術の道場「やわらいしゃ」のブログです

姿勢を整える事

以下の写真は2020年11月14日の稽古写真。

 

X(旧Twitter)に投稿していた記事からダウンロードしましたが、この頃の稽古では姿勢の要求をかなり厳密にしていた様です。狭い身幅の中で技を掛けようとする意図が写真から伝わって来ます。

 

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因みに写真で取り組んでいる技は初段技「腕押捕」です。基本技でありながら、難度の高い技です。かなり高いレベルで稽古出来ていたと思いますが、この頃はまだ相手を弾き飛ばすか、下に押し潰す事だけを考えて稽古していました。今、見返すと外に弾く術理特有の硬さを感じます。

しかしながら、丁寧に姿勢を整えている為、ある種の様式美を感じます。やはり、最初は柔らかさを求めるよりも自分の姿勢と向き合って、身体の緩みを取っていく方が上達への近道だと思います。その際に注意すべき点は、身体正面を相手に向ける事、つまり相手を攻める事です。

相手の力をいなす、流す、相手とぶつからない!っと言う事を考え過ぎると身体が横を向きます。この状態で相手を崩そうとしても自分の力を上手く相手に伝えられません。結果として腕力に頼る事になります。

最近、ある八光流の皆傳師範が「剛の稽古」と書いている投稿を見ました。おそらく姿勢の厳密さを追求していると推察します。何故なら、姿勢に対する要求を厳密化すると稽古の強度も上がっていくからです。

自分の修めた流儀を貶める意図はありませんが、現代の八光流の稽古は、脱力と言うキーワードばかりが強調されて姿勢に対する要求レベルが低くなっいると懸念しています。脱力強調タイプの稽古を「柔の稽古」とするならば、姿勢を重要視するスタイルは「剛の稽古」と言えなくもありません。

とは言え、姿勢に厳しい稽古も運用を誤ると「柔術が剛術に」なりかねません。あまり、剛だとか、柔だとか、言わずに自然体の稽古をしたいと考えています。