柔術・古武術・秘伝の探求

八光流柔術の道場「やわらいしゃ」のブログです

親指殺しの技

八光流柔術の二段技、つまり最もベーシックな初段技を修了した後に学ぶ型の1本目に「松葉捕」と言う技があります。どんな技かと言えば、相手の親指を折る(脱臼させる)技です。おそらく、大東流にも合気道にもない八光流独特の技だと思いますが、実に危険で、それが故に実用性の高い技です。

しかしながら「松葉捕」の正しい使い方を知らない門人も少なくありません。と言いますか、存命も方でオリジナルの松葉捕を知っている方の方が少ないでしょう。その理由は、、、

前回の記事で登場した寺澤交山先生が腕試し目的で入門してくる人達の親指を片っ端から折ってしまったので禁じ手になったと聞いています。寺澤先生ご本人から伺った話です。多少の誇張はあると思いますが事故が多発したのは事実の様です。実際、松葉捕で暴漢?を撃退した話も伺っています。

公共施設の利用を巡って他団体(超メジャー武道)の代表者が某師範に絡んで来て、手首を思いっ切り掴んで「技をかけてみろ」と凄んだ瞬間に手を松葉捕の形で振り上げた瞬間、掴んだ手を離して親指を押さえながら真っ青な顔で去って行ったそうです。本来の松葉捕は掴まれた手首に、空いている手を添えて両手でかける技です。しかし、この時は片手を差し上げた時点で技が完結したの事。技をかけた師範にしてみれば、松葉捕で仕留めようと言う意図すらなく、ただ掴まれた手首を振り解こうとした所、相手の掴む力が強烈過ぎたので自然に技が入ってしまった様です。

そう言う訳である時期を堺に松葉捕を教えないか、教えたとしても親指殺しの部分を省いたマイルドな形で伝えられます。最近の本部道場ではオリジナルの松葉捕も復活させている様ですが、人によっては間違った方法も散見されるので完全復活には至っていないのでしょう。

教本は見ながら個人的に研究されている方もいると思いますが、一瞬で親指関節が裂ける状態にならなければ、何処かが間違っています。危険な技なので、あまり熱心に取り組まれない方が良いと思います。因みに私自身は得意技の一つですが、普段の稽古では取り扱いません。

連休中で少し考える時間と記事を書く時間が確保出来たので昨日に続いての連投になります。このblogは基本的に文字だけにしようと考えています。その方が負担も少なく気楽に続けられそうなので。