柔術・古武術・秘伝の探求

八光流柔術の道場「やわらいしゃ」のブログです

手鏡について①

初段技「手鏡」は八光流の基本技であると共に、演武登場する頻度も高い代表的な技の一つです。

とは言え他流派で全く観られないと言う訳ではなく、合気道では「両手持ち小手返し」と言う名称で類似の技法を稽古されている動画を拝見した事があります。勿論、元を辿れば八光流に行き着くであろう諸流派にも同様の技はあると思いますが、幸道会系の大東流の師範が動画で公開されている「手鏡」は技名も同一で八光流と非常に良く似た手筋の技なので、興味を覚えます。

 

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「手鏡」は相手の手首を捻って手刀で抑えつける様に極める技です。技を決められると非常に痛いので慣れてくると手首が捻られるのに合わせて受身を取って転がります。従って個人的には受身を受身の柔らかさを養うにも最適な技だと考えています。

 

この様に「手鏡」は、一見すると手首関節を極める関節技の一種です。手順も覚え易く、初心者が力づくでかけても一定の効果が望めます。一定の効果とは、つまり十分に痛い技になり護身術としての速習性も具備していると言えます。

 

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しかしながら、技を受け慣れた人には力づくの技では効きにくいのも事実です。技の手順を覚えた後は力だけではない、関節を痛めつけるのではない術の探求・模索が始まるのです。

私自身の「手鏡」も様々な紆余曲折と変遷を辿って、その都度、技の趣が変わって来ました。そう言う訳で「手鏡」は支部道場や先生によって技の掛け方や趣が随分と違って来ます。